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2004年10月24日

Gaia,not mother

昨日夕方、新潟で強い地震がありました。
最近地震が多くて、その時もまた強い地震だなと思っていたら震源地は新潟で震度6強…
ギルメンが何人か新潟に住んでいたので、彼らがログインするまで皆で心配していました。
その後も余震は続き、新潟での被害もかなり深刻なものになっているようです。
そしてその間余震が来るたびに怯えていた私。
とうに20も過ぎた男がほんの小さな地震を怖がるというのも情けない話ですが、
私が地震を怖く思うのは当然あの日の事があるからでした。

私の実家は神戸にあります。
日本は4つの大陸プレートの境界にあり、国内のどこにいても地震から逃れることは出来ません。
関東に住んでいると地震は日常茶飯事ですが、
関西ではそれまで大きな地震を体験したことは全くありませんでした。
体に感じないくらいの小さな地震なら何度もあったと思いますが、
当時小学6年生、12歳だった私は地震というものを全く知らなかったのです。

いつもと変わらない夜。
いつもと変わらない朝。
ふと目を覚ますわけでもなく、何も考えずに寝ているだけ。
大きな地震は揺れる前に「どーん」という大きく低い地鳴りが聞こえます。
阪神大震災もその音を聞いて目を覚ましたという人が多数いました。
しかし私は寝ていて全く気づかず、突然襲った激しい揺れで目を覚ましました。
震度4くらいまでの揺れと震度7の揺れって当たり前ですが全然違うんです。
震度4くらいまでだと、かなりゆっくり揺れますが、
私が体験した震度7は揺れがとても大きく、かつ速いのです。
例えば、あなたが今目の前のテーブルを両手で思いっきり
出来るだけ大きく速く揺らしたとしましょう。
当然机の上にある物は吹っ飛びますね。
でもそんなもんじゃないんです。もっと大きくて速いんです。
止まっていることが当然だった大地が狂ったかのように暴れ出す。
私は何が起こったのか分かりませんでした。
これが地震というものなのか?それとも別の現象?…いや夢…?
夢じゃない。今自分が置かれている状況はひどくリアルでした。
状況を受け入れることが出来ても、何も出来ません。
電気が消えます。
布団を頭までかぶる事で精一杯でした。
建物がきしむ音だけではなく、地震そのものの、大地が揺れる音が聞こえるのです。
まるで地球に意志があるかのような揺れ。
そこはもう違う世界でした。
その世界に逃げ場はあるとは思えませんでした。
大地が全てを支配する、人間にはどうすることも出来ない世界。
死が頭を過ぎりました。
しかしその世界においては死もさほど不思議なことではなく。
全てが終わる世界ならそうなってももう仕方ないなと本気で思いました。
ガイア理論という説があります。
地球の生命や環境は一つの生命体システムとして機能しているという考え方です。
科学的に考えてそれに意志はありません。
しかし自然の圧倒的な力を目の当たりにすると、
私はなぜか意志を感じてしまいます。
地震もまたそうでした。

妹はたまたま父と寝ていたのですが、
地震が起きた時父は妹に身をかぶせ守ろうとしたそうです。
親なら当然の行動かもしれませんが、
いつもは冗談ばかり言っている父もいつも自分たちのことを思ってくれているのだ
と、とても嬉しく思った記憶があります。
人間は何かあった時にとっさに取る行動で心が見えますから。

地震がおさまった後、家族4人で居間に集まり電気の復旧を待ちました。
ラジオで阪神地区に大きな地震があったという報道は聞きましたが、
被害状況などはすぐには分かりませんでした。
電気復旧まで1時間くらいでしたでしょうか、割と早かったです。
テレビをつけた途端家族が皆凍り付きました。
目に飛び込んできたのは横倒しになった阪神高速道路。
東に行く時はいつも通っていた高速です。
そして空襲でもあったかのように燃えさかる街。
何度も見たことのある神戸の街は見るも無惨な姿になってしまっていました。
実家から震源地(海底ですが)まで歩いて30分くらいで行けます。
神戸市の中でも最も震源に近い地域です。
しかし幸いなことに活断層が近くになかったため、
実家の近辺では建物倒壊や火災は全くありませんでした。
実家の被害は瓦が数枚落ちて割れたのと、
壁に小さなひびが入ったくらいだったのですがこのま瓦が曲者でして。
落ちかけの瓦がまだ残っているかもしれないので、
庭に出る時は傘をささなければなりませんでした。
外に出ると、道に黒い灰が落ちていました。
見上げると東の山の向こうから灰が飛んできています。
火災が起きた地域の灰が、風に乗って10km以上離れたそこまで飛んできていたのでした。

その後も余震は続きました。
小さなものから本震並みに揺れるかと思われる大きなものまで。
地震の前兆の地鳴りが聞こえると「大きいのが来る!」と分かるので、とてつもない恐怖に襲われます。
小さな地震でも少しずつ揺れが大きくなることもあるので、
どんなに小さな地震でも今でも過敏に反応してしまいます。
揺れた後は体に揺れている感覚が残ります。
極端な話ですが自分が自身の血管の脈動で揺れているのを地震と勘違いすることもあります。

地震直後ガスと水道は来ていましたが、数時間後にどちらも停止。
来ているのは電気のみとなりました。
便利だったのがホットプレートと電気鍋。
お皿にはラップを敷いて使いました。
その日のうちに給水車が到着。
鍋やポリタンク等必死に空き容器を作って並びました。
ガスと水道は数週間止まったままでした。
小学校に給水車が来ていたので、朝キャリーでポリタンクを持ってきて、
帰りに水を入れてもらって家に持って帰る児童が数多く見られました。
小学校で被害にあった人はいませんでしたが、
その後スキー旅行等卒業式までのイベントは全て中止に。
高校に進むと家が半壊、全壊したという友人が何人もいました。
そして地震によって将来を決めたという者も。
ある者は消防士に、ある者は地質学者に、ある者は救命装置研究に…。

地震を経験して良かったとは思いません。
数多くの被害が出ているのですから。
しかし、地震の恐ろしさを知ったことは決して悪いことではなかったと思います。
急に地震の事を書いたのも、地震の恐ろしさを知ってもらいたかったから。
地震に限らず、自然災害を甘く見ている人は数多くいます。
そのような人達はこの文を見ても考え直すことなんてないんでしょうけど…。
自然の恐ろしさは身を以て体験しないと分からないと思います。
しかし、恐ろしさを知った時が命を失う時では何の意味もありません。
そして、甘く見ている者が最も命を危険に晒すのです。
自分は大丈夫、と思っているのなら、それはとても愚かなことです。
決して地球を軽視しないで下さい。

■すぐに出来る地震対策
・机やベッドの下など、逃げられる空間を常に確保しておく。
・寝ている所に倒れてくる物が無いようにする。最低でも頭は安全に。
・常に食料と水を少しでもいいから置いておく。チョコレートは少量でも栄養価が非常に高い。
・自分も常に危険だと知る。

投稿者 Nightfly : 2004年10月24日 13:23 | Mind

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